コラム 中村 晋

コラム1-5 「プロジェクトあるある」

2022/12/02

何のミーティングだニャン?

 荒製作所では、「DX(デジタル・トランスフォーメーション)プロジェクト」のキックオフが開かれているようです。

 中小企業にも波及し始めたDX化の流れに遅れまいと、情報システム部長(IT部長)がDXプロジェクトの推進を、先代の社長に提案したのは半年ほど前でした。でも、荒製作所にDXを理解している人材はおらず、中堅ITベンダーB社に丸投げしようとしています。B社のSEであるプロジェクトマネージャーが、何か挨拶をしているようですね。

若手社員が愚痴をこぼしてるニャン

 そうですね。プロジェクトメンバーに選ばれたA君とB君が何やら話しています。ふたりとも、職場のエースといえる存在なので、様々なプロジェクトに駆り出されていることが不満のようです。

 それに今回のDXプロジェクトはデジタル化ありきで、荒製作所をどう変革していくかいう「ビジョン」や「戦略」がないことに、ふたりは気づいているようです。

このプロジェクトはうまく行くのかニャン

 正直いって、このプロジェクトの成功は難しいかもしれませんね。

 

 そもそもの話になりますが、多くの企業で「プロジェクト」という言葉が、多くの社員からネガティブに捉えられてしまっている、と私は思っています。あなたの会社では、こんなことは起こっていないでしょうか。

  • 社内にプロジェクトが数多くあって、それぞれのプロジェクトの進行状況を、だれも把握できていない
  • どのプロジェクトも華々しくキックオフするのだが、きちんと終結したことがない
  • どのプロジェクトの体制図もほとんど同じで、掛け持ちメンバーが多い
  • プロジェクトメンバーになっても、定常業務の負荷は変わらない(減らない)
  • ほとんどのプロジェクトが、期限オーバー、かつ予算オーバーだ
  • 「プロジェクト」に対して、社員のモチベーションが下がっている(白けている)

あるあるだニャン!

 私はこんな状況を、とても残念に思っています。

 経営幹部とマネージャーが、プロジェクト・マネジメント手法を、理解し実践することができれば、こんな不幸な状態は避けることができます。

 さらに言えば、プロジェクト・マネジメント手法は、日常業務にも適用できることが多いのです。つまり、プロジェクト・マネジメント手法は、会社全体の業務の効果と効率を上げるパワーを持っていると、私は思っています。

 これからシリーズで、プロジェクト・マネジメント手法の基礎を解説しますので、どうぞお楽しみに!

期待しておりますニャン

-コラム, 中村 晋