コラム1-7 目的と目標って何？
プロジェクトのスタートがいかんニャ
そうですね。プロジェクト成功５つの秘訣の第一番、「プロジェクトの目的と目標を明確にする」の正反対ですね。
解説に入る前に、目的と目標それぞれの定義を明確にしておきましょう。
目的とは、プロジェクトによって最終的に実現したいことです。関連するプロジェクトや、後続のプロジェクトと共通するものであってもかまいません。目的の記述はともすれば通り一遍な内容となりがちです。それを避けるためには、「このプロジェクトを実施しなかったら、会社はどうなってしまうのか。それを避けるために、このプロジェクトをどうしても実施したい理由」を考えてみるとよいでしょう。
一方目標とは、目的を達成ためにプロジェクトが具体的に実現すべき状態や生み出すべきもののことです。目的に比べて、具体的かつ定量的であることが目標の特徴です。もうひとつ忘れてはならないのが、目標には必ず期日を設定しなければならないということです。以上のことを図表1に整理しました。
もう少し具体的に説明してくれないかニャ？
分かりました。具体的な事例を見てもらうのがよいでしょうね。図表２を見てください。
ここでは、3つのプロジェクトの目的と目標を例示しました。
３つのプロジェクトは、それぞれ、製品開発、コストダウン、DX推進と、一見あまり関係がないように見えます。しかし目的を読めば、３つのプロジェクトはいずれも、競合他社との競争激化により市場シェアが落ちているという、会社にとって最重要のひとつの経営課題の解決を目指していることが分かります。
経営者にとってプロジェクトの目的は自明（言わなくても分かるだろう）ということで、明示されていないことも多々あります。しかし、プロジェクトメンバーの経営への関心や理解はまちまちですから、明示しておくことが重要です。
例えば、コストダウンを行う場合でも、その目的が、会社の利益の上積みなのか（もちろん、それも重要なことですが）、市場シェアの向上なのかによって、プロジェクトメンバーのモチベーションも大きく変わってくるかもしれません。
目標については、期日と数値目標が明示されていることにも、注目してください。
なるほど！プロジェクトの目的と目標の決め方がわかったニャン！
